概要 全米ナンバー1ヒット「Jessie's Girl 」(1981年)でグラミー賞を獲得。 それを契機に「Don't Talk to Strangers」、「Affair of the Heart 」、「Love Somebody 」とヒットを連発、80年代を象徴するロック・アーティストとなった。 |
Artist
Rick Springfieldとは
本国オーストラリアでサイケ・ロックバンド、Zootを結成。
1968年にデビュー、Beatlesのカヴァー「Eleanor Rigby」がスマッシュ・ヒットを記録、人気を博す。
1972年、単身渡米、ソロへ転向。デビュー・シングル「Speak to the Sky」が米14位を記録するも、その後、ヒットが途絶える。
甘いルックスから、当時人気のDavid Cassidyの対抗馬、アイドル的なイメージで扱われ不遇の時代を過ごす。
音楽活動の一方、恵まれたルックスでアクターとして活躍、テレビ・ドラマ「General Hospital 」で人気を獲得。その追い風と共にリリースした「Jessie's Girl 」がメガ・ヒットを記録するとロック・シーンで本格的にブレイク、一時代を築く。
大衆性を伴いながらアグレッシヴ感を交えたハード・ポップは、後のメロディアス・ハード・ムープメントの布石となったといっても過言では無いだろう。
80年代末期、アルバム制作は途絶えるも「Shock / Denial / Anger / Acceptance」(2004)をリリースするや往年のハード・ロックンロールが復活、ステージ活動も行うとAORやメインストリーム・ロックのファン層を中心に再評価。「Venus in Overdrive」(2008)は、米28位と久々の
ヒット作となり、話題を集めて、現在の根強い人気に結び付く。近年もオーケストラのジョイント・ライヴ作「Orchestrating My Life: Live」等をリリース、70歳を過ぎても精力的な活動を継続している。
おすすめアルバム
『Working Class Dog』
1981年発表のこのアルバムは、現在の人気を決定付けた代表作。
Pat Benatarの公私共のパートナーでギタスリト、Neil Giraldoを筆頭にブルースやジャズ、フュージョンからロックに精通したRobben Ford(g)、Mike Baird(ds)等、腕利きミュージシャンを率いて、Fleetwood Mac、Scorpions、Journey、Foreigner、Pat Benatar等を手掛けた敏腕Keith Olsenにプロデュースを委ねたサウンドは、洗練されたメロディアス・ハードの佳曲ばかり。
特に、オープニングの「Love Is Alright Tonite」から「Jessie's Girl」、「Carry Me Away」、「I've Done Everything for You」とレコード言うところのA面は途絶えることのない疾走感はハード・ポップ/ロックの醍醐味を満喫させてくれるのが嬉しい。同作から先の「Jessie's Girl」、「I've Done Everything for You」の他、「Love Is Alright Tonite」と3曲のシングル・ヒットが誕生、米アルバム・チャートの7位を記録している。
Youtubeの曲の説明
「Jessie's Girl」
Rickを一躍ヒットメーカーへと導いた代表曲。
「I've Done Everything for You」
2ndシングルとしてカットされ、米8位をマークした。Sammy Hagarのカヴァーだ。
「Love Is Alright Tonite」
アルバムのオープニングを飾るに相応しいハード・ロックンロールの佳曲。米20位を記録している。
個人の感想
恵まれた甘いルックス故、デビュー当時はアイドル勢にカテゴライズされたのは先述の通り。故に70年代は過小評価に泣く。
しかし、不遇の70年代も『Comic Book Heroes 』、『Wait for Night 』と不発に終わったアルバムも実は、「Working Class Dog 」に
勝るとも劣らないハード・ポップ志向の秀作だった。その意味でRickの音楽性に一切ブレはない。自分は、その点を踏まえて、彼の産み出す
サウンドをリスペクトの念を込めて”Rick'n'roll”と称している。奇しくも昨年、「Working Class Dog 」発表から40周年を迎えた。先頃には
それを記念した『Working Class Dog: 40th Anniversary Special Live Edition』がリリースされている。同作は「Working Class Dog 」
をセルフ・リメイクした企画盤。無観客のスタジオ・ライヴ・スタイルだ。音源のCDとパフォーマンスを収めたDVD のコンパイル作。元来、
オリジナルもシンプルなサウンド構成で、スタジオ・ライヴでも違和感はない。そして、40年という歳月、年齢を感じさせない若々しいRickのヴォーカルが
ファンとしては何より嬉しい。生涯現役、”Rick'n'roll”はエヴァーグリーンな魅力に溢れている。オリジナルはもちろん、『Working Class Dog: 40th Anniversary Special Live Edition』も是非とも一聴して頂きたい。
以下は、「Jessie's Girl」のセルフ・リメイク・ヴァージョン。参考にして頂ければ幸いだ。