| 概要 Richie SamboraはBon Joviのギタリスト兼ヴォーカリストとして、デビューから2013年まで在籍、Jon Bon Joviと共にバンドの中枢を支えた。 その間、「Livin' On A Prayer」を筆頭に「You Give Love A Bad Name」、「Bad Medicine」、「I'll Be There For You」、「It's My Life」等、メガ・ヒットを数多くJonと共に作曲、その名をロック界に轟かせたのは周知の通り。 |
Artist
Richie Samboraとは
Jimi Hendrixに憧れて、14歳でギターを手にする。1982年にローカル・バンドMessageで自主制作アルバム「Lessons」を発表。しかし、翌年、Jon Bon Joviと出会いBon Joviに加入、ビッグ・サクセスを手にする。
バンド活動と並行して、1991年にアルバム『Stranger In This Town』を発表、ソロ活動も開始した。
以降、「Undiscovered Soul」(1998)、「Aftermath of the Lowdown」(2012)とソロ・アルバムを発表、手堅い評価を得ている。
但し、Bon Jovi名義作「What About Now」(2013)発表後、ツアー活動をスタートさせるも程なく、不参加を表明。その理由はプライベートな問題、健康面、待遇改善の不備等々と噂されたが、明確な指摘もなく、脱退へと結び付く。
脱退以降は、日本も含むライヴ活動を中心としていたが、2017年には女性ギタリスト、OrianthiとRSOを結成、アルバム『Radio Free America』(2018)をリリース、ユニットでステージ活動を展開する。しかし、既にユニットは解散しており、Richie自身、既にソロとしてのニューアルバムの準備を行なっているという。
おすすめアルバム
『Stranger In This Town』
記念すべきRichieの1stソロ。当時、Jon Bon Joviとの不仲説からBon Joviの解散等々が囁かれる最中でのタイミングであり、注目を集めた1作。Bon Jovi在籍時からソウルフルな歌唱力にも定評があった彼だけに単なるギタリストのソロ・アルバム以上にオーセンティックなロック作に仕上げられている。Richie自身は、ブルース志向に拘ったそうだ。プロデュースはRichieとKiss、Bob Dylan、Dire Straits、Sting等を手掛けたNeil Dorfsmanとの共同作業によるもの。
1stシングルにセレクトされた「Ballad of Youth」は、ブルース色を交えたロック・チューンで、Richieのソウルフルな熱唱も相待ってバンドとは異なる佳曲となった。また、2ndシングル「One Light Burning」は、Bon Jovi加入以前のShark Frenzy時代の盟友、Bruce Fosterとの共作でAORタッチのナンバー。「Mr. Bluesman」は、Richieの熱望で実現したEric Claptonとの共演で話題に。
一方、個人的には哀愁漂うブルース・タッチの「Stranger In This Town」やピュア・バラード「Father Time」がお気に入りだ。
バックにはBon JoviからTico Torres(ds)、David Bryan(key)が参加。アルバムは米チャートの36位まで上昇した。
Youtubeの曲の説明
「Ballad of Youth」
ソウルフルなRichie Samboraのヴォーカルが圧巻。シングル第一弾でチャートの米63位まで上昇。
「One Light Burning」AORタッチのナンバー
「Stranger In This Town」
アルバムのタイトル・トラック。ブルージーなギター・ソロが満喫できる佳曲。
「Mr. Bluesman」ギター・ソロは、Eric Claptonがプレイしている。
個人の感想
先述のように当時のBon Joviは、メンバー間の不協和音が噂され、非常に微妙な時期だった。しかも、Jon Bon Joviも同時期、初ソロ・アルバムを発表、バンド危機説にも説得力が帯びた。結果的には解散は回避され、翌年には4年振りの新作「Keep The Faith」を発表、健在振りを示す。
幸運にもRichieとは、バンド、単独含め何度かインタビューするチャンスがあった。
彼自身は、本当に気さくな好人物であり、ワイン片手にちょっぴりほろ酔い加減でも誠実な回答をしてくれた。ただ、Jon Bon Joviの姓を冠としたバンドであっても、Richie自身のクリエイティヴ面の拘りを強く抱いていたことは確かだ。
あくまで、個人的な主観を言えば、Jon Bon Joviはミュージシャンであることはもちろん、アクターとしての顔も持つ、洗練されたオールマイティなアーティスト。片やRichieは生粋のロッカー、そんな違いを自分自身は抱く。
Richieは、これまでに3作のソロ名義作を発表しているが、いずれも王道のロック然とした音楽性に一切ブレがない。と同時にそのロック・スピリットがあればこそのBon Joviの大成功があったと自分は信じる。そのことを一番理解しているのは、当然のことながらJon Bon Joviに他ならないはず。近い将来にニューアルバム発表の旨をアナウンスしているRichieだが、最終的には再びJon Bon Joviと共にロック・シーンをリードして欲しい。それが自分の本音でもある。